オフィスビルや公共施設、学校、住宅などが混在する東京都港区三田エリア。三田エリアには、2025年3月竣工予定の「三田ガーデンヒルズ」をはじめ、周辺には「東京三田再開発プロジェクト」が目下進行中で、界隈の注目を一身に集める大注目エリアです。現在、多種多様な機能を融合させた魅力あふれる複合市街地区として変貌しようとしています。港区三田エリアの再開発についてそもそも三田エリアは、教育や文化、ビジネスの交差点として発展を遂げてきました。由緒のある土地柄に魅了される人が多いエリアです。慶應義塾大学三田キャンパスや各国大使館、綱町三井倶楽部などがあり、これらの建築物は三田エリアの歴史と文化を象徴する重要なランドマークとなっています。しかし近年、この地域では建物やインフラの老朽化が進み、効率的な土地利用と防災対策が必要とされています。また、2020年代前半のオリンピックに向けて各地で都市再生が実施されるなか、この歴史ある地域は新しい時代のシンボルとして選ばれ、再開発プロジェクトがスタートしました。2023年「住友不動産東京三田ガーデンタワー」竣工2023年3月には、同組合が開発した超高層ビル「住友不動産東京三田ガーデンタワー」が竣工。地上42階、地下4階、高さ215メートル、延床面積約199,705平方メートルの超高層ビルで話題となり、地域の景観や人の流れに大きな変化をもたらしています。従来、三田エリアでその存在感を示してきた「住友不動産三田ツインビル」(2006年竣工)は、三田三丁目にある「西館」と芝浦四丁目にある「東館」からなり、「住友不動産東京三田ガーデンタワー」は、より駅に近いエリアに位置しています。2025年「三田ガーデンヒルズ」竣工予定敷地面積約25,000m2の旧逓信省簡易保険局庁舎跡地に、三井不動産と三菱地所による、全1,002戸の港区最大(※)の低層高級マンション「三田ガーデンヒルズ」が2025年3月下旬に竣工予定(2026年1月下旬入居予定)です。都心の森となる入居者専用の中庭を囲うように5棟の住居棟が配棟されています。また、この立地に相応しい、旧逓信省建造物を一部保存・再生した格式ある外観デザインやゲストハウス、バーラウンジ、プールといった多彩な共用部施設、帝国ホテルと提携したコンシェルジュサービスが特徴となっています。※ 有限会社MCR調べ2025年「駅直結の大型スマートオフィスビル」竣工予定中央日本土地建物と都市再生機構が開発をスタートしている三田駅直結のオフィスビルは、2025年に竣工予定です。オフィスや店舗、インキュベーションオフィス、カンファレンス、子育て支援施設が入ることになっています。2040年代を見据えて再開発の過程では地域住民の意見や要望にも配慮され、歴史的建造物の保存や公共スペースの確保など、地域の特色やニーズに応える取り組みが積極的に行われています。生活者目線で特に重要視されているのが、「歩いて楽しい街」すなわち「ウォーカブル・シティ」の構築です。路線網が著しく発達している東京23区内においてこうしたコンセプトを実現させることは容易なことではなく、自治体や関係者の協力が必要で、時間も手間もかかります。たとえば自動運転レーンと一般車レーンを分離し、歩行者や自転車、電動キックボード用の安全な道路空間を作る案が出されたり、田町・三田駅からのアクセスを改善し、歩行環境を改善するために長距離の歩行者デッキ新設計画などが進行中です。2030年までに著しく向上する三田界隈の価値不動産価格の上昇と新しいオフィスや住宅への需要が高まるなか、品川に隣接し、高いポテンシャルを秘めた三田エリアは、その魅力を一層高めています。芝浦アイランドとの関係性三田三・四丁目の東南には、中央区の東京湾に面する「芝浦アイランド」があります。人工島である「芝浦アイランド」は、かつて工業地域でしたが、交通アクセスの良さと立地の魅力を兼ね備えており、近年では都市再開発プロジェクトにより、新たな住宅や商業施設などが整備され、魅力的な都市エリアへと変貌しました。生活面でも大きく利便性が向上しています。三田地区と芝浦アイランド、これらの再開発プロジェクトは、都心部における高品質な生活環境の実現を目指し、緑地の整備や持続可能な都市開発を実施していることから、双方の取り組みの相乗効果でより魅力が向上することが期待されています。東京サウスゲートエリアとの関係性三田と同じく港区に位置する品川駅と田町駅周辺を中心としたエリア、東京サウスゲートで進められているのは、東京の新たな国際的ビジネスハブを形成することを目指した再開発プロジェクトです。ビジネス・商業施設や公共スペース、住宅までもが一体となった大規模な複合開発が計画されており、2030年までに大きく様変わりすると言われています。2020年には高輪ゲートウェイ駅が開業し、羽田空港へのアクセスも向上するなど、今後の都心部における交通の要衝として、その機能を十全に果たしていくことは間違いありません。加えて、2027年にはリニア中央新幹線の開通が予定されており、これによって当エリアのアクセシビリティはますます高まる一方でしょう。趣深さを重んじ、由緒正しさを軽視しない開発のありかた着々と現在進行形で開発が進む三田エリアは、職住近接型都市計画やウォーカブル・シティ、持続可能な街づくりといった、最先端でトレンディな都市計画による未来的ともいえる様相を漂わせています。しかしその一方で、旧東海道や寺町としてかつて繁栄した跡を残しており、江戸時代の武家屋敷を彷彿とさせる落ち着きある邸宅街もみられるのが特徴です。それらは穏やかで落ち着いた日常を提供し、ここに住む・暮らす人は、より質の高い生活を享受できるでしょう。都心の「街」に持続可能な真価を実現する港区三田エリアの再開発この地区の再開発がもたらすものは、東京都心部の活性化だけにはとどまりません。都市機能を一括集約し、効率的な都市運営を追究することで、より快適な生活環境づくりを目的としています。職住近接、ウォーカブル・シティ、環境に優しい都市設計など、持続可能な街づくりが目指されて、現代のトレンドをぞんぶんに反映した未来的な都市計画プロジェクトとなっています。その価値は、2025〜2030年までにとどまることなく急速な高まりをみせ、今後、衰えることはないでしょう。