再開発が進み、街の表情が大きく変わりつつある横浜・北仲/みなとみらいエリア。前編では、現在の街並みや再開発の動きに焦点を当て、このエリアがどのような方向へ向かっているのかを整理しました。後編となる本記事では少し視点を変え、横浜という港町がどのように形づくられてきたのか、その歩みを振り返っていきます。みなとみらいの洗練された都市景観の背景には、開港以来150年以上にわたって積み重ねられてきた都市計画や建築の歴史があります。北仲・馬車道・山手エリアを中心に、横浜が「港町」として歩んできた時間を振り返りながら、現在進む再開発を歴史の流れの中で読み解いていきます。 <目次> ■ 横浜三塔 ― キング・クイーン・ジャックが象徴する都市の骨格まずは、横浜の都市構造を形づくってきた代表的な場所をいくつか取り上げながら、その背景を見ていきましょう。横浜を象徴する歴史的建築として知られるのが、「横浜三塔」です。神奈川県庁本庁舎(通称:キング)は1928年、横浜税関(クイーン)は1934年、横浜市開港記念会館(ジャック)は1917年に建てられました。それぞれが行政、税関、市政という異なる役割を担いながら港を取り囲むように存在している点は、横浜という都市が港湾機能とともに発展してきたことを示しています。三塔は単なるランドマークではなく、都市機能そのものを視覚化した存在といえるでしょう。この「キング」「クイーン」「ジャック」という呼称は、外国船員の間で自然に使われるようになった呼び名が定着したものとされています。港町ならではの国際性と、建築に物語性を重ねてきた横浜らしい文化がうかがえる点も興味深いところです。 ▼ 神奈川県庁本庁舎(キング)▼横浜税関(クイーン)▼横浜市開港記念会館(ジャック) ■ 馬車道の由来と北仲通が担ってきた都市の動線北仲エリアに隣接する「馬車道」は、日本でも早い時期に本格的な西洋式道路として整備された通りです。開港後、港と外国人居留地を結ぶために整えられ、馬車の往来を前提とした幅員を持つ道路として計画されました。この馬車道と並行する形で発展してきたのが「北仲通」です。北仲通は、港湾施設や倉庫、商業機能を結ぶ実務的な通りとして、横浜の経済活動を支えてきました。華やかな街路景観を象徴する馬車道に対し、北仲通は港と街をつなぐ実質的な動線としての役割を果たしてきたといえます。2020年4月、このエリアに「北仲ブリック&ホワイト」が開業し、住み良い環境が整いつつあります。 ■ 赤レンガ倉庫と旧駅舎が物語る「港から始まる鉄道都市」横浜赤レンガ倉庫周辺は、日本の近代物流を支えた重要なエリア。港に到着した貨物は倉庫で保管され、鉄道を通じて全国へと運ばれていきました。この点において、横浜は東京とは異なる都市の成り立ちを持っています。東京が政治・行政の中心として内陸部から鉄道網を発展させてきたのに対し、横浜は港湾と鉄道が直結する「港を起点とした都市」として形成されてきました。初代横浜駅をはじめとする周辺の鉄道施設は、港と内陸を結ぶ結節点として機能し、赤レンガ倉庫と連動するかたちで物流ネットワークを支えていました。現在では再開発により風景は変わりましたが、港湾と鉄道が密接に結びついた都市構造は、今も横浜の都市的特性として受け継がれています。 ■ 郵船ビルと日本郵船博物館 ― 北仲が担った海運の中枢こうした港湾物流と都市機能の集積を、より直接的に象徴する存在が北仲通沿いに残されています。北仲通に面する旧・横浜郵船ビルは、横浜が日本の海運拠点であったことを象徴する存在です。周辺には、かつて海運会社や倉庫、商社が集積し、港湾経済の中枢を形成していました。現在進められている郵船ビルの建て替え工事も、北仲エリアが担ってきた役割や歴史を背景に、街の流れを受け継ぐかたちで進められています。日本郵船歴史博物館(現在閉業中)では、横浜港を起点とした日本の海運史を体系的に学べる施設で、この街が果たしてきた役割を改めて実感することができます。建物の建て替えに伴い閉業中ですが、2027年春に再開館する予定です。 ■ おわりに北仲・みなとみらいエリアは、港町としての歴史、行政・物流・商業機能の集積、そして水辺という立地特性が重なり合うことで、独自の都市像を形づくってきました。現在進められている再開発も、こうした歴史の延長線上に位置づけることで、その価値がより立体的に見えてきます。街の成り立ちを知ることは、単なる知識にとどまらず、暮らしや投資の視点においても重要な判断軸となります。このエリアが今後どのような姿を見せていくのか。横浜という都市の流れの中で、引き続き注目していきたいところです。 現在、弊社にて三田ガーデンヒルズ パークマンション棟(2LDK/87平米)ならびに、ウエスト棟(3LDK/86平米)等の未公開物件をお預かりしておりますので、ご購入をご検討中のお客様はぜひお気軽にお問い合わせください。また、三田ガーデンヒルズのご売却をご検討中のオーナー様には、最短1営業日でご売却査定をお出ししております。お問い合わせはこちら:https://mgh.sevensignatures.com/#contact 今後も、三田ガーデンヒルズや近隣の情報、都心の不動産市場に関する最新動向をお届けしてまいります。