この夏も、都心では連日の猛暑が続いています。避暑地の代名詞ともいえる「軽井沢」は、東京から新幹線でわずか約70分。都心の喧騒から離れ、心身をリセットするための特別な時間を求めて、多くの方がこの地を訪れています。今回の特集では、軽井沢の「今」に焦点をあて、前編では開発動向や不動産としての視点、後編では滞在体験やおすすめのスポットをご紹介していきます。 ■ 軽井沢の主要エリア紹介軽井沢は、中心地として知られる「旧軽井沢」や「新軽井沢」「中軽井沢」「南軽井沢」のほか、浅間山麓の雄大な自然に抱かれた「北軽井沢」、歴史と文学の香りが漂う「追分」、そしてファミリー層からも注目される「御代田」など、エリアごとに異なる個性と魅力があります。※地図は国土交通省「基盤地図情報」をもとに弊社にて作成 旧軽井沢エリア:大正から昭和初期にかけて多くの文化人が別荘を構えた、歴史あるエリアです。静かな別荘小道には、長い時間をかけて自然に溶け込んだ石塀や教会など、時代を映す建物が点在しています。それぞれの建物や通りに物語があり、それがこの街ならではの風景をつくり出しています。 新軽井沢エリア:1997年の新幹線(現・北陸新幹線)の開業を契機に、軽井沢駅周辺では再開発が進み、新軽井沢エリアは利便性と洗練を兼ね備えた「現代の軽井沢の玄関口」としての顔を持つようになりました。大型のアウトレットモールや上質なレストランが駅周辺に点在し、滞在者にとっても快適な動線とアクセスが確保された、モダンで開かれたエリアです。 中軽井沢エリア:穏やかな森と水辺に囲まれた落ち着いたエリアで、豊かな自然と静けさが魅力です。歴史ある別荘地や住居が点在し、上質なリゾート感と日常の快適さを両立した環境として、特に自然を愛する方々から高い評価を受けています。 南軽井沢エリア:広大な敷地にゆったりとした邸宅が点在し、自然の開放感と静けさが共存するエリアです。中軽井沢が森や水辺の穏やかな景色を楽しめるのに対し、南軽井沢はさらに一歩踏み込んだ、より広い土地と深い静寂に包まれた「軽井沢の奥座敷」として知られています。ゆとりある空間が生み出す贅沢な時間を求める方に長く愛されています。 ■ 注目を集める主要開発プロジェクト近年、軽井沢では複数の大型開発が同時進行しています。 1. 軽井沢駅前北口東側 再開発(三菱地所ほか・2026年春開業予定)駅北口に直結する線路跡地を活用し、三菱地所が商業施設の開発を進めています。温浴・宿泊・物販・飲食といった各分野には、アクアイグニス社とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)社が参画します。「信州らしさを体感できるゲートウェイ」を掲げ、観光客のみならず、土地に深く関わる人々にとっての“入口”となる存在を目指しています。 2. GLAMDAY STYLE TEITAKU 浅間ノ詩(KPG/2026年春完成予定)1棟を24名で共有する、いわゆる“シェア型別荘”のスキームを採用し、天然温泉やサウナを備えた邸宅を、初期投資を抑えながら、柔軟に所有・利用できるのが特徴です。別荘所有の新たな選択肢として、関心を集めています。本プロジェクトを手がけるのは、高級温泉旅館「ふふ」や話題の創作うどん店「つるとんたん」などを展開する、KPG(カトープレジャーグループ)です。同社では浅間ノ詩に加え、軽井沢エリアにて2025年8月27日に開業予定の分譲型ホテルコンドミニアム「GLAMDAY STYLE HOTEL & RESORT 旧軽井沢」など、多様なスタイルの別荘・リゾート開発を積極的に進めています。 3. アナンタラ軽井沢リトリート(リストデベロップメント/2030年開業予定)軽井沢駅から車で約15分の場所に、スイート23室とヴィラ18棟を備えた高級宿泊施設の開発が進められています。この「アナンタラ」は、タイ・バンコクを拠点に世界25か国以上で展開する「マイナーホテルズ」が手がけるラグジュアリーブランドで、今回が日本初進出となります。リゾートを中心に、都市型ホテルやレジデンスも手がけており、2001年の創業以来、アジアや中東をはじめとする各地で存在感を高めてきました。2026年に着工、2030年の開業を予定しており、事業主はリストデベロップメント社です。 4. 軽井沢プリンスホテル大規模リニューアル(西武不動産/2027年以降順次開業予定)軽井沢プリンスホテルは、1973年の開業以来、軽井沢の玄関口として多くの滞在者に親しまれてきました。現在、約290億円を投じてヴィライースト棟とヴィラウエスト棟を中心に改修工事が進められています。景観との調和を重視し、快適な滞在環境の実現を目指す大型の再生プロジェクトとして、2027年以降、段階的に開業が予定されています。 5. 千ヶ滝エリア大規模開発(西武+野村不動産/2030年以降)西武グループが所有する約22ヘクタールの敷地で、野村不動産と共同で進める複合リゾート開発が計画されています。長期的なビジョンのもと、軽井沢の自然や歴史と調和しながら新たな価値を創造する、大規模な複合開発が期待されています。 ■ つくるから、守り育てるへ 軽井沢の時間と景観を次世代へ軽井沢の不動産価値は、利便性や面積といった数値的な条件以上に、自然環境や町のたたずまい、そしてそこに積み重ねられてきた時間の質によってかたちづくられています。たとえば、豊かな緑に包まれた静かな敷地や、街並みとの調和が保たれた住環境は、多くの人が軽井沢に惹かれる理由のひとつです。2025年3月、軽井沢町は「自然環境と景観を守るための宣言」を発表し、「自然保護対策要綱」の見直し、特定用途制限地区や景観基準の導入などを通じて、マンションやホテルの新規開発に新たな基準が設けられました。新しい施設を次々と建てるのではなく、既存の環境や文化を丁寧に育てていく。そうした姿勢が、この町の価値を支える根幹となっています。不動産を所有するという行為もまた、地域の魅力を守り、未来へつなぐ営みへとつながっていくのかもしれません。 ■ おわりに弊社では、ハワイ・軽井沢をはじめ、国内外のさまざまな不動産の売買仲介を行っており、今もっとも注目を集めている最高級低層レジデンス「三田ガーデンヒルズ」についてもお取り扱いがございます。現在、弊社にて三田ガーデンヒルズ パークマンション棟(2LDK/87平米)ならびに、ウエスト棟(3LDK/86平米)等の未公開物件をお預かりしておりますので、ご購入をご検討中のお客様はぜひお気軽にお問い合わせください。また、三田ガーデンヒルズのご売却をご検討中のオーナー様には、【最短1営業日】でご売却査定をお出ししております。 お問い合わせはこちら: https://mgh.sevensignatures.com/#contact後編では、避暑地・軽井沢の歴史やおすすめスポットについてまとめます。お楽しみに。